関心空間の糞袋

関心空間から移行した内容(当時の不完全な記録)

1:25 pm 献体

(以下は、2011.08.31.に公開しました)

献体」のキーワード - 関心空間

http://www.kanshin.com/keyword/?...

死体はみんな生きている

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5つ星のうち 4.0 翻訳物だから平気で読めるのよ、これ, 2005/2/28

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あぶはち (大阪府) - レビューをすべて見る

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レビュー対象商品: 死体はみんな生きている (単行本)

人体の不思議展」を見に行ったとき、これは欧米の発想だ、日本人の発想ではないと思いました。養老孟氏が推薦していたし、もちろん大変興味深かったのですが、私の妻は「そんなん見に行って、バチあたるわ」と古風なことを言いました。例えば、妊婦の腹部をがばっと開いたら、中に赤ちゃんの小さな足が見えている、なんてのを見て、自分も献体したい!と思う日本人は、まずいないでしょう。献体したけどあんなふうにつかわれてしまうなんて、と遺族が憤りを感じることも想像に難くありません。

あの「えひめ丸」の悲しい事故が起こったとき、遺族も日本政府も、何が何でも遺体の引き上げを要求しました。私ももちろん同感でしたが、先方には理解しづらかったことでしょう。また、ハワイのアリゾナメモリアルは、沈没したアリゾナ号の真上に作られていて、もちろん乗組員の遺体はそのまんまだったわけです。

愛しい人の亡骸は大切にしてあげたい、だって可哀想だよ、粗末に扱ったらバチが当たるよ、という考え方は、私たち日本人にはごく自然に身に付いていますが、アメリカではそうでもない場合が多々あるのだなあ、と感じています。

で、この本です。人体への影響を調べるには人体を使うのが一番、というごく当たり前の発想に従い、死体に弾丸を撃ち込んだり、車の衝突実験に使ったり、自然に腐敗させる実験に使っています。読んでて特に違和感を感じるでもなく、著者が遺体に愛情と敬虔な思いを抱いていることも随所に表れていて、「びっくり!遺体の使い方」みたいな内容に終わっていないのはよく分かりました。しかしこれ、翻訳物だと思うから平気で読めますが、日本人が書いたら大変なことになっていたと思います。

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コメント コメント

・・・我々は、相手の生きていることを信じて、日々それとつきあって暮らしているのだが、それは魂を見ているのではなく、目で(視覚で)相手の肉体を確認していることで、それが生きているのであることを了承しているのだ、と思う。

(・・・話はズレるが、怪談の耳無し芳一が、亡者と判らず従いて行ってしまった、とする描写にあるように、見えないと判断が出来ない、とされている)

・・・ゆえに、死体となった人々を、生前または生きている時と同等に扱わないことに、非常な嫌悪や違和感を感じるのではないか。