関心空間の糞袋

関心空間から移行した内容(当時の不完全な記録)

4:09 pm

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小説家になろう - 異世界から帰ったら江戸なのである - 94話『とある薩摩の禁止演目』

(中略)

「書き物が規制されたようだね」

「うん」

「よくやった」

「えええ」

 まさかの褒め言葉に雨次は呻いた。

 天爵堂は目を細めながら、

「物書きはね、規制されてなんぼのものだよ。僕だって何冊も版木ごと燃やされているんだ。登竜門さ」

「そういうものかなあ」

(中略)

「ともあれ、後世から見たときに歴史の中で、文化が豊かな時代に於ける出版物の目安がなんだか分かるかい?」

「ええと……たくさん色んな種類が出ている、とか?」

 雨次の答えに顔を顰める。望んだ答えではないようだ。

「その時の政治を批判している本や瓦版がどれだけ残っているか、だよ」

 天爵堂の考えに雨次は目を丸くした。

「爺さん、それ悪いんじゃないのか? 悪口の記録が残っているって」

「とんでもない。いいかい? どれだけ政治が優れていようが、万人が万人すべて満足する社会なんてあり得ない。必ず少数の不満を持つ者が居るんだ。その意見を黙殺する社会は、大多数が幸福だろうが文化としては下だ」

「……」

「逆にいかに民衆から酷く罵られて批判文が出回ろうが、それを規制しない政治家は後世で評価されるものだよ。人気を取るよりやるべきことを優先し、批判の矛先を自分で受けて弾圧はしなかったんだ。どこかの誰かみたいに、一般民衆にまで貧しさを強制したりはしないはずさ」

(中略)

真面目な声音で云う。

「信念がある文を書きなさい。誰に認められなかろうが、自分の正しさを信じて文章を書いている限り、物書きと云うものは不幸ではない」

※8月のあいだじゅう、↑に読み浸っておって(=この支配からの卒ぎょいや現実からの逃避文学)のう、書籍版も買うてしもうた。

※ちなみにいまは読むの二周目なんじゃよー

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