関心空間の糞袋

関心空間から移行した内容(当時の不完全な記録)

ラーメン荘 夢を語れ

いらっしゃい。 http://pya.cc/pyaimg/pimg.php?... 先に「二郎」の存在を知り、関西にも流れを汲む店舗ができたと聞いて、珍しい物を見たさに行ってみた。実はラーメンは普段あまり食べない。ラーメンを意識して喰い始めたのは二十年くらい前の「天下一品」から。白飯の副菜にできるくらいのスープに衝撃を受けた。しかしそっちと同じくらいに当時よくお世話になったのは深夜営業してた「ラーメン太郎」で、なかなか冷めずに油膜を張るスープを漠然と食していた。たまに「親爺」「新福菜館」にも行ってたが、店内のポスターの志賀勝そっくりな店主が鉢いっぱいに盛るスープ、妙に濃い醤油色のスープとゆで玉子喰い放題、くらいの認識しかなかった。少しあと、円町と七本松の間にあった「寅さん」で、脂身が多くて厚いチャーシューとスープ一面に浮かぶ背脂の存在を知った。・・・そして郊外に移った現在は年に数回「天下一品」に行く程度。「天天有」は近所にできた支店に行ったが薄口の「天下一品」という感じ。最近はスープの味よりも脂身の多くてブ厚いチャーシューを目当てにラーメン店を物色しているような自分。古い型の貧乏人なので、たまに外食するなら肉が喰いたいためと思われる。しかし「とんまさ」では「百五十匁トンカツ」定食を完食できない程度にヘタレな常人である。 「小ブタ、ニンニクヤサイカラメ」の感想。「天下一品」を初めて喰った時以上の衝撃。まず肉の厚みと脂身と量。ニヤけてくるほどの旨さで、生の刻みニンニクのトッピングがスパイシーでよく合う、というか助けられた。そしてレンゲで啜ったスープは、「ラーメン太郎」の油膜どころか、二層になっているのでは?と思わせる油分の濃厚さ。しかし甘口醤油にも似た味わいがして、かつまろやかである。さて山盛りになっている肉の下は麺ではなく、肉以上に山な状態の煮モヤシと煮キャベツ。キャベツは焼肉店サイズくらいのざく切りで固茹でなのでボリュームがある。が、この肉とこのスープをやっつける(!)には不可欠と認識。麺はそのさらに下、全体からすると最も少ない割合に感じた量で隠されている。ところが引っ張り出して対面したソイツは他のメンバーを軽く凌駕する存在であった。んーなんじゃこりゃあ!・・・えーと、某京都でラーメンの麺といえば、縮れていないストレートで断面は手打ち蕎麦みたく切り出したかのような真四角なのが殆どのように思うのですが、そして某日本一著名な地方都市に来るまでは「サッポロ一番」「出前一丁」の縮れたそれを「ラー麺」だと信じていたのですが、そんなものの比ではない。あの、粘土細工で手の中のを、両手を摺り合わせてどんどん細く長くして紐状にしていきますよね、長いパーツを作る時って。あれを連想した。つまり断面形状は不規則なのである。で、押しつぶしたように平たく、加えて通常の2~3倍は太い。そしてアルデンテを超えるかのような、讃岐の上も行くかの如くな超弾性。ボリューム感どころの騒ぎではなかった・・・。 結論。非常にユニークで他には無い(源流や系列店やその亜流以外に)ラーメンである。いや、これはラーメンなのだろうか??例えば、昔ながらの、薄い醤油色で透きとおったスープに麺が浮かび、その上に上品にナルトやメンマや薄切りで赤身だけのチャーシューが並べてあり、周囲には小口切りのネギ、なんてな「中華そば」が「ラーメン」と聞いて脳内に画像が表示される年配の方からすれば激怒する存在ではなかろうか。実際、単に食事時に通りかかったら営業している店があったので入って来た、という様子の老年のご夫婦に、店員が一生懸命に注文前に説明して念押ししているシーンを体験中に偶然に目にして微笑してしまった。とにかくラーメンの、いや食のカルチャーショックではある、と言えよう。ふと思ったが、「ラーメン」に先入観の無い外国人なら普通に受け入れるような気がする。野菜よりも肉が安かったりハンバーガー店はハンバーガーのレタスとピクルスやフライドポテトがメニューにあるからヘルシーだなんて思っている(らしい)あの国の方々なら・・・。 追記。高カロリー、ハイファット(!)ゆえ、完食後に歩いて鴨川沿いを出町柳まで帰ったがもちろん消費には全然及ばず、翌日の昼食時まで胃もたれが持続していた。けれどもその翌日には「次はこうアレンジして・・・」などと胸中でニヤけつつ妄想していたのであるから、その中毒性は高い、恐るべし。ファンになりました。 後日談をば。 4回目で、こう思いました。 の画像