関心空間の糞袋

関心空間から移行した内容(当時の不完全な記録)

当店の御客様は、お読みにならないでください。その2

「業務連絡、業務連絡」w

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887 名前:名無しさん脚 :2008/12/28(日) 14:49:13 ID:Y++0jNz2

年賀状さわぎ(現像所出しコワイよーwな)

がそろそろ終わった、と思っていた先日、

すごいフィルムを同時プリントで受けたので、参考までに。

「レッドスケールフィルム」

ttp://www.lomography.jp/microsite/redscalefilmjp/

「ノーマルのフィルムを裏返し、」

「いつもの慣れ親しんだ35mmのカラーネガフィルムと同じように現像できます。」

我々からすれば、ホント、いーめーわくなこのフィルム。

皆様、十分ご注意あれ・・・。

ウチでは気づいたベテランが暗箱で巻き直して詰め替えて、

プリントも裏焼きで仕上げた。

色はおそらくほぼどんな光源でも紅茶みたいな色調になっているのでは?

(撮影内容から判断するしかないが)

だもんで色も濃度もキータッチ無しでプリントした。

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では、蛇足だが補足をば。

フィルムには表と裏があり、性質が全く違う。

光に反応する薬品が塗ってあるのが裏。

カメラには、裏に光が当たるようにしてセットする。

市販されているフィルムは、同じ規格(大きさと形状)であれば表と裏の向きは決まっていて、

もちろんカメラもそれを前提にしてそれに合わせて設計製造してある。

そしてフィルムを現像処理する機器も同じ。

直接に薬品が塗ってある裏側の面に傷やゴミやホコリが付くと

プリントする時にそれも写真に写ってしまう。

それに対して表側の面は傷やゴミやホコリが付きにくくしてあるので、

現像処理する機器は、できるだけ裏側の面に影響を与えないように、

言い換えれば、(出るとすれば)かわりに表側の面に影響が出るように

設計製造してある。

さてそこに、

あらかじめ裏を表に、表を裏にして容器に詰めてあるフィルムが現れました!

・・・もうおわかりですね、なぜ必死になって「巻き直して詰め替えて、 プリントも裏焼きで」

処理しなければならなかったのか!

えーと、もっと細かい内部事情をいうと。

フィルムの現像機は、容器からフィルムの先端を引き出しつつ、

機械内部へ巻き込みながら数種類の薬品槽へ順番に通して現像する。

フィルムの最後は容器にある軸につながっているが、

それは切り離して、容器は機器内のゴミ箱に行き、フィルムのみ処理する。

で、どこでフィルムの最後を判断するかだが。

機器によっても異なるだろうが、

ウチの職場のだと、容器が収まる場所がバネで留めてあり、

引き出したフィルムが一定以上の力を受けて、

軸もろとも容器を引いてバネを動かす、つまり容器の収まる場所が動くと、

内蔵のカッターで、容器のフィルム出口の直後をバツンと切る。

さて、「35mmのカラーネガフィルム」の容器の形は上下左右があり、

もちろん中のフィルムの向きも合わせて決められて入れてある。

この問題のフィルムの場合、そのまま、つまり通常と同じように

現像機にセットしたならば、機器の中で”薬品の塗ってある側に傷や

ゴミやホコリを付けながら”処理してしまう可能性がある。

では容器をひっくり返して、裏返して現像機にセットすれば?

形状の問題で容器の収まる場所に固定できないので、

フィルムをカットせず、おそらくフィルムのどこかを引きちぎる!

ことになる。それが軸に付けてある所なら良いが、もしフィルムの

途中で破れるように切れたとしたら・・・。

(あたりまえだが、カメラ内部でフィルムを容器から引き出している時に

切れないように、フィルムは軸に強く付けてあるよん)

(ちょっと待って、「巻き直して詰め替え」てとは? ・・・その容器

には軸はありません、フィルムを引っぱり出すだけなので。そして、

機器の側でも、フィルムだけがスルリと抜け出て容器が動かなかった時は、

それを感知して警告するセンサーが装備されています)

「プリントも裏焼き」

現像処理の終わったフィルムを別な機器で光を通して、

それを印画紙に焼き付けて写真にするのだが、

一部のお利口サンな機器だと、フィルムを裏にしてセットすると

警告が出て、それ以上すすめられない、つまりプリントできないのだな。

・・・ウチのは警告が出るが承知で作業続行できる機器なんでイケたけどさ。

「色も濃度もキータッチ無し」

ネガフィルムは、その名のとおり、撮った時の明暗と色が

それぞれ正反対になって写っています。

そしてそれを印画紙が元に戻すように作ってあります。

しかしフィルムが、「露出」といって、

フィルムごとに決められた量の光を与えないとちゃんと写らないように、

印画紙も同じく「露出」を調節して焼き付ける必要があります。

それは機器が”ある程度”自動でやってくれますが、

やっぱりフィルムをカメラで使う場合と同様、完全にはうまくいかず、

人間の判断で微調整をしてやらなければ良い写真にはなりません。

具体的には、フィルムを機器にセットするとセンサーが読みとって、

モニター画面に、機器の中のコンピューターが考えた

予想図がカラーで出てくるので、そこに「キータッチ」で

色や濃度(明暗と言わず、こう呼びます)の微調整をしてやります。

予想図の画面が「イイ感じ!」になったらオッケーで、焼き付けを実行させます。

(ただし所詮は”予想図”なので、結果がズレることがあり、その場合はやり直します。

ベテランだと、機器の予想のクセを見越して微調整をします。)

(「カラーフィルター」といって、カメラのレンズの前に色付きサングラスのような

のを付けて、色のかたよった写真を作る場合があります。そういう時、

どのくらいの色に仕上げたら良いのか、依頼者の意図がわかりかねるので、

色や濃度の微調整を控えることもあります。)

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ふーっ、こんなもんか?ここまで書けば苦労がわかってもらえるかな?

(だからね、写真屋で作ってる年賀状はインクを使って印刷してるんじゃあないのだよ、

ってソレはまた別の機会にw ←あるのか?)